アナベルは白くて豪華な花を咲かせるアジサイで近年大人気になりましたね。ピンクの花を咲かせる品種も生み出され、ますます注目が集まっています。
育てている方で、こんな疑問はありませんか?
- アナベルの剪定方法を知りたい。
- 花房が去年より小さいのはなぜ?
- 花の大きさに差が出る理由を知りたい。
アナベルは剪定方法によって花(花房)の大きさが変わります。切り方は2パターンあり、強剪定と弱剪定です。強剪定だと大きな花が咲き、弱剪定だと小さな花がたくさん咲きます。
この記事ではアメリカノリノキ`アナベル‘の花の大きさをコントロールするテクニックについて解説します。
アナベルの開花特性について
剪定方法を見る前に、まずは開花特性について整理していきます。
当年枝に花が咲く
アナベルは当年枝(春から伸びた枝)の先端に花芽ができ、6月頃に開花します。
日本のアジサイは、花芽が花後の夏にでき、翌年開花するため、花芽形成後に剪定すると花が咲きません。アジサイの仲間でも、この花芽分化の特性に大きな違いがあります。
どちらかと言えば、ノリウツギ(ピラミッドアジサイ等)に近い性質です。
太い枝には大きな花が咲く
花(花房)の大きさは枝の太さに比例します。根元から出てくる元気のあるシュートは太くなりやすく、結果として大きな花を咲かせます。写真の赤矢印は同一の枝の先端と根元を指しています。
大輪の花が見たい方は、枝を太く育てる事を意識しましょう。
枝数を増やすと小さな花がたくさん咲く
弱剪定によって小枝を増やすと花数は増えますが、養分が分散するため一つ一つは小さくなります。
アナベルの花は本来20cm以上の大きさになりますが、小枝では小さい傾向にあり、10cmに満たない場合もあります。私の庭でも、剪定を控えたら小さな花ばかりになりました。
大輪よりも小さな花をたくさん咲かせたい方は、この性質を利用して弱剪定で管理しましょう。
アナベルの剪定方法
花の大きさは剪定方法で制御できます。以下のポイントを押さえて、目指す姿に育てましょう。
「強剪定」で大きな花を咲かせる
大きな花を咲かせるには、当年枝を太くすることが重要です。
地面から3節ほどの位置でバッサリと強剪定します。小枝は枝分かれの元から切り、太い枝だけを残します。花数は減りますが、春には勢いの良いシュートが出て、大輪の花を咲かせてくれます。
「弱剪定」で小さな花をたくさん咲かせる
花数を増やすには、小枝の分岐を促す事が重要です。花柄や枯れ枝を剪定する程度にして、芽(節)を多く残すように剪定します。輪郭を整えるように切れば、開花時に枝の高さがまとまります。
剪定時期
剪定作業は冬の休眠期に行うのがセオリーです。落葉後の12月から芽吹き前の3月までに行いましょう。
葉が緑のうちは光合成で株に養分を貯えさせ、翌年の開花に備えます。
花付きを良くするための管理
まずは株を大きく育てる
強剪定はどうしても花数が減ります。また株が小さいうちは、勢いのあるシュートは出にくいです。植えてから2年程度は、強剪定は避けて株の充実を優先させましょう。
半日以上日の当たる場所に植える
アナベルは半日陰でも栽培できますが、日照条件の良い場所の方が花も大きくなります。
一日の半分以上、できれば午前中から直射日光の当たる場所で栽培しましょう。
日本のアジサイよりも日当たりを好み、葉焼けには強いです。私は一日中直射日光の当たるところで育てていますが、元気に育っています。
肥料を与える
株の充実を図るため、春と秋に肥料を与えます。花付きを良くするためには、リン酸の配合が多い肥料を使用しましょう。
園芸品種の利用
アナベルは特性を改良した園芸品種もあります。花の大きさに関係する品種をご紹介します。
大輪の品種「アナベルジャンボ」
アナベルの選抜品種として、「アナベルジャンボ」という品種があります。
花房の直径が30cmにもなり、こんもりとしたボール型で形よく咲きます。茎が太くしっかりして倒れにくいという性質も嬉しいポイントです。
小型の品種「アナベルコンパクト」
こちらは矮性品種で、背丈は90cm程度と通常のアナベルの2/3程で収まります。
花は普通のアナベルの大きさですが、弱剪定を繰り返しても株を小さく保てる利点があります。四季咲き性であることもポイントです。
まとめ
ここまでアナベルの剪定方法について解説しました。最後に要点のまとめです。
- 花の大きさは枝の太さに比例する。
- 大きい花を咲かせるには、強剪定で太い枝を育てる。
- 小さな花を咲かせるには、弱剪定で枝数を増やす。
- 改良品種を植えるのも良い。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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