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【事例あり】水辺のビオトープに住む生き物

庭づくり

水辺のビオトープを作る目的は様々ですが、生き物の観察を楽しみたい方は多いのではないでしょうか。ビオトープの生き物を大きく分けると、「人が放す生き物」と「自由に出入りする生き物」があります。水辺には思いのほか多くの生き物が集まります。

この記事は以下の方におすすめです。

  • 池に放す場合どんな種類が向いているの?
  • 住宅地の中でも生き物はやってくる?
  • どんな生き物が集まるの?

今回の記事では、ビオトープを取り巻く生き物について、私の庭の事例と合わせてご紹介します。

水辺のビオトープと生き物の関係

池に産卵するギンヤンマ
(自宅)池の水草に産卵するギンヤンマの仲間

水辺のビオトープにできる生態系

ビオトープは特定の生物群が暮らす空間の事を指します。水辺のビオトープにおいては、昆虫や野鳥を中心に、空を飛んで移動する生き物が多くやってきます。魚や貝など水中から出られない生き物は、水路が繋がっていない限り勝手に来ることはありません。

庭に作るような独立した池の場合は、「人が放す生き物」と「自由に出入りする生き物」が組み合わさって生態系を構成することになります。

人為的に生き物を放す意義

ビオトープに生き物を放す事は、生態系の回復になる場合と、飼育(放し飼い)になる場合に分けられます。目的に合わせた種類群を選び、自然任せで継続的に生きていける状態が望ましいです。

地域で減少傾向にある種の生育環境を整える事が出来れば環境の保全に繋がります。特殊な例では、ホタルやサンショウウオ等の種の保全に貢献することもできます。

特定の生き物に絞って餌を与えて育てるのは飼育であり、本来のビオトープの趣旨からは外れますが、一般家庭では現実的な手段であり普通に行われています。

自由に出入りできる事は重要

野生の生物は、性質の異なる複数のビオトープを利用するのが普通です。例えばトンボを例に挙げると、水辺以外に、餌場や休息場所として草地、樹林も利用しています。

付近に林や川があると、ビオトープとの繋がりが生まれて、多くの生物が利用しやすくなります。環境を整えて、必要な季節だけ利用してもらうスタイルは、自然の営みを助けることに繋がります。環境が合っていると繁殖する姿を見る事もできます。

生き物の入手について

入手方法としては購入採取があります。地域に生息する在来生物を放つことが理想ですが、市街地では入手が難しいため、ペットショップで購入する方が多いと思います。

採取に当たっては、漁業権の購入や、そもそも捕獲が禁止の水域もあるので、採取に出かける前に調べましょう。

購入した生物の場合は、原則として自然界に逃がしてはいけません。特に外来種は逃げ出さないように注意しましょう。なお、在来種であっても、地域的な遺伝子の攪乱につながるので、野に放つ行為は良くありません。購入した生き物は最後まで面倒を見ましょう

生き物の種類

池で泳ぐ金魚
(自宅)池に放した金魚たち。産卵して生まれた稚魚も一緒に泳いでいる。

水辺のビオトープにおすすめの生き物

ビオトープに生物を放つ場合、まずは環境に合った種類を導入する事が重要です。水道水や雨水による溜め池なのか、湧水の流入があるかでも適した生物は変わります。また、導入する生き物は、生態系のバランスがとりやすい種類が向いています。魚類であれば、水生昆虫や藻類をエサとする雑食性の小型魚が良く、ボウフラ対策にもなります。巻貝は掃除役になるため全般的におすすめです。

分類名称
魚類メダカ、フナ、キンギョ、ドジョウ、モツゴ、タナゴ
巻貝類ヒメタニシ、カワニナ、サカマキガイ
二枚貝類ヌマガイ、タガイ、イシガイ
両生類アカハライモリ
溜め池の環境に向く生き物一覧

注意が必要な生き物

水辺の生き物でも、導入に注意が必要な種類も存在します。下記は、意図する目的が達成されない場合や生態系の崩壊リスクがあるので注意してください。

  • エビ:30度以上の高水温や水質の悪化に弱い。
  • サワガニ:湧水由来の低温できれいな水を好む。地面に穴を掘る。陸に上がる事も多い。
  • ゲンゴウロウ:飛んで逃げてしまう。小魚を食べる。
  • カエル:成体は水辺から離れる事が多い。
  • アメリカザリガニ:外来種であり、他の生物や水草を食べてしまう。

自由に出入りする生き物たち

ビオトープの規模や、周辺の生息地との距離にもよりますが、様々な生き物がやってくる可能性があります。市街地でも、トンボ類、アメンボ、小型のゲンゴロウ類、カエルが住み着き、野鳥が水浴びに来る事もあります。

購入した水草に卵が付着していて、巻貝やミジンコが発生する事もあります。

意外な種類としては、ハチが挙げられます。夏場は気化熱で巣を冷ますため、水を運びに水辺と巣を往復する様子が見られます。

一時的なものを含めると、水辺を利用する生き物はとても多いです。

事例の紹介

防水シートで作ったビオトープ
自宅の庭に作った池

庭に作った池で暮らす生き物たちをご紹介します。導入した生物と、外から勝手にやってきた生物が一緒に暮らしてしています。

地域は東京都の多摩エリアです。住宅街ですが、徒歩圏内に雑木林や河川がある環境です。

導入した生き物

ボウフラ対策として魚を放しました。餌は、痩せてこない限りは与えていません。

キンギョ(和金)

赤いキンギョ
金魚(和金)

和金は改良元となったフナに近く、おそらく一番丈夫な種類だと思います。毎年5月頃に稚魚が生まれ、異なる世代が同居中です。稚魚の大多数は自然発生のヤゴに食べられてしまいますが、強いものだけが生き残って次の命を繋いでいます。

メダカ(クロメダカ)

メダカ
クロメダカ

他の生き物との同居は厳しいようで、なかなか中々数が増えません。メダカより小さい生き物だけの環境を作ってあげると良さそうです。

マドジョウ

出典:イラストAC

この池のヌシです。最初に池に放った生き物で、体長5cm程度だったものが10cm以上に成長しました。年に数回だけ目撃する幻の存在です。

やってきた生き物

トンボを中心に多くの昆虫が集まり、種類によっては産卵と羽化を観察することができました。池には以下の種類の生き物がやってきています。

  • クロスジギンヤンマ
  • ヤブヤンマ
  • オオシオカラトンボ
  • ミヤマアカネ
  • モノサシトンボ
  • オオアメンボ
  • ヒメアメンボ
  • カエル類

クロスジギンヤンマ

クロスジギンヤンマの単独産卵
(2022.5)水草の多い環境を好み、メス単独で産卵する。
クロスジギンヤンマの抜け殻
(2022.5)毎年大型のヤゴが羽化していく。

ヤブヤンマ

石に止まったヤブヤンマ
(2022.6)休憩に立ち寄っていた。
枝に止まったヤブヤンマ
(2022.6)同じ個体。枝にも石にもつかまる。

オオシオカラトンボ

縄張りに陣取るオスのオオシオカラトンボ
(2022.5)オスは縄張りを持っていて、他のトンボを追い払う。
交尾するオオシオカラトンボ
(2022.6)交尾の様子。メスは色が全く異なる。

ミヤマアカネ

水辺の草で休むミヤマアカネ
(2022.6)名前にミヤマ(深山)と付くが、平地のトンボ。
草に止まって休むミヤマアカネ
(2022.6)草地で休むことが多い。

モノサシトンボ

水辺の草に止まるモノサシトンボのオス
(2022.6)物差しのような腹部の模様が特徴。オスは青みががる。
木陰の草で休むモノサシトンボのメス
(2022.6)メスは色が異なり黄色みがかる。

クロイトトンボ

産卵するクロイトトンボのペア
(2022.6)交尾・産卵するペア。左側がメス。
羽化したばかりのクロイトトンボ
(2022.5)羽化直後の成虫。まだ体が柔らかい。

オオアメンボ、ヒメアメンボ

最大サイズのアメンボ
(2022.5)日本最大のアメンボであるオオアメンボ
泳ぎながら交尾するヒメアメンボ
(2022.5)交尾するヒメアメンボ

カエル類

ニホンアマガエル1緑色
(2020.6)ニホンアマガエル
ニホンアマガエル2茶色
(2022.6)ヤマアカガエルと思われる個体

その他、写真には撮れませんでしたが、野鳥が水浴びにやってきます。シジュウカラ、スズメ、メジロ、ヒヨドリが池を利用しています。

まとめ

この記事ではビオトープの生き物についてご紹介しました。最後に要点をまとめます。

  • 生き物の移入には人為的な移入と、自然的な移入がある。
  • 購入した生き物は野に放さず、最後まで面倒を見る。
  • 小規模な池でもトンボは定着する。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

池制作の様子は以下の記事で詳しくご紹介しています。もしよろしければご覧ください。

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