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庭から始めるビオトープ。水辺だけじゃない本当の意味とは?

庭づくり

ビオトープという言葉について、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。イメージとして水辺の空間を思い浮かべる方が多いように感じますが、本来の意味から考えると、水辺だけではありません。ビオトープの本来の意味は、生物の生息する様々な種類の空間全てを指します。

この記事ではビオトープについて掘り下げていきます。

ビオトープとは

池に産卵するギンヤンマ
(自宅の池)池の水草に産卵するギンヤンマの仲間

ビオトープの意味

ビオトープは生物の生息場所を指し、語源はギリシア語のbio(命)と topos(場所)を合わせた造語です。発音の違いでバイオトープと呼ぶ場合もあります。

定義の要点は以下の2点です。

  1. 周囲と区別できる空間的なまとまりをもった場所
  2. 生息する生物(群集単位)で特徴づけられる事

周囲と違う空間で、特定の生物群が形成されれば、全てビオトープということですね。

ビオトープの種類

ビオトープの種類は、具体的には森林、草原、水辺、農地、裸地等があり、森林だけでみても、落葉樹林、針葉樹林、若い雑木林、伐採適期を迎えた雑木林、河原に形成されたヤナギ林、その他様々な形に細かく分けられます。

また、人為的に形成した空間だけでなく、原生林や洞窟といった自然の場所も含みます

生き物には多様な空間が必要

生物の多くは複数の種類のビオトープを利用します。

トンボを例にあげると、水辺だけでなく、エサ場や休憩場所となる草むら、林も必要になります。水辺に注目しても、明るい環境、日陰の環境、流れのある小川、止水域、水草が多い池というように種類によって好む環境が異なります。

生き物が暮らすためには多様な環境が必要であり、多様性があると種類数の増加につながります。

ビオトープのネットワーク

生物が複数のビオトープを移動可能かどうかは重要な要素です。

空間的に繋がりがあれば、餌が無くなった時の移動、越冬場所への移動、天敵からの退避等ができ、新たな種類の移入も起こります。また、異なる遺伝子の交流によって、近親交配による弱体化を防ぐ事にもなります。

庭をビオトープにしよう

石の上で日向ぼっこをするカナヘビ
(自宅の庭)石の上で日向ぼっこをするカナヘビ

庭は勝手にビオトープになる

庭には、意図せずとも、標準でビオトープになるポテンシャルがあります。

植物を植えると、葉を食べに草食の虫が現れ、捕食者の肉食の虫が現れ、トカゲや小鳥もやってきます。もちろん地中の微生物やミミズ等も生物群に含まれます。庭を作ると一つの生物群が形成されることになります。

庭から植物以外の生物との関係を切り離すことは不可能とも言え、必然的にビオトープになっているとも言えますね。

そして、生き物の為に意識的に手を加えると、もっと良いビオトープになります。生き物とは切れない縁なのですから、関わりを深めて付き合っていく方が面白いと思いませんか?

庭をビオトープにするアイデア

いくつか例を挙げてみたいと思います。

  1. ウォーターガーデン
  2. バタフライガーデン
  3. 雑木林の庭

ウォーターガーデン

庭に池を作ると様々な生き物がやってきます。

生涯の一部を水中で過ごすトンボやカエル、鳥の水浴びの姿などを見る事ができます。

上手く環境を作れば魚を放し飼いにすることも可能です。

バタフライガーデン

花を楽しみながら、蝶も訪れるナチュラルなお庭です。蝶を意図的に呼ぶためには、蜜源植物や食草を植えると効果的です。

雑木林の庭

広い庭で、自然が近ければ、カブトムシやクワガタを庭に呼ぶことも可能です。樹液が出るクヌギやコナラの大木を育てて、樹液酒場にしてしまいましょう。里山の暮らしのように、ホダ木をとってキノコ栽培をするのも良いですね。

これは私の夢でもありますが、広い庭で台場クヌギ(※)を育てるといったことも不可能ではないです。

※台場クヌギ:材を取るために一度伐採し、萌芽更新で幹が複数に分かれた樹形となったクヌギです。又の部分が洞(うろ)になりやすく、樹液を食べる昆虫がたくさん集まります。

まとめ

この記事ではビオトープについて解説しました。私は自宅の庭で実践していて、たくさんの生き物が暮らしていますよ。自然が身近に感じられ、毎日癒されています。家庭のお庭でも十分に成立しますので、庭をビオトープとして楽しんでみてはいかがでしょうか。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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