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ピンクのアナベル2の育て方と栽培レポート、ピンカーベル、基本種のアナベルも紹介

アメリカノリノキ’ピンクのアナベル2’の花 栽培レポート

アメリカノリノキ’アナベル’の改良品種の一つ、‘ピンクのアナベル2’について、栽培事例をご紹介します。私の場合の育て方や、四季の様子、育てた感想等をまとめます。これから育てたい方や、既に育てている方の参考になれば幸いです。

私は他にも基本種の’アナベル’と’ピンカーベル’も育てています。記事の後半で合わせてご紹介します。

アメリカノリノキ’アナベル’について

アメリカノリノキ’アナベル’
白花のアナベル(出典:写真AC)

‘アナベル’の仲間の特徴

北アメリカ原産のアジサイの一種、アメリカノリノキを改良した品種で、花の豪華さや育てやすさから大人気となった花木です。アジサイと同じく両性花と装飾花が集まって花房を形成し一つの大きな花に見えます。花弁に見える部分は萼片(がくへん)で、受粉を助ける虫を呼ぶために花弁の形になったと言われています。原種のアメリカノリノキはガクアジサイのような姿です。アメリカアジサイと呼ぶ場合もあります。

日本のアジサイ類や北アメリカ原産のカシワバアジサイは旧枝咲きですが、アナベルは新梢咲きのため、冬に剪定しても翌年花を楽しむことができます。アジサイは冬にバッサリ切ると翌年花が咲きませんが、アナベルでは剪定の自由度が高く、冬まで花を残しておくとシードヘッドのようにドライになった花の姿を楽しむこともできます。

樹形は株立ちとなり、根元からシュートが出て枝数を増やしながら成長します。

‘ピンクのアナベル2’はピンク系の選抜品種

アメリカノリノキ’ピンクのアナベル2’の姿
(6月中旬 自宅の庭)開花期を迎えた’ピンクのアナベル2’

日本植物パテント株式会社(JPP)が扱っている品種で、品種名に数字が入っている珍しい名前のアナベルです。他のピンク系アナベルと比較すると花色と葉色が濃いのが特徴です。同じく花色が濃い品種の「ルビーのアナベル」よりは淡い色合いです。繰り返し咲く性質も持ち合わせていて、花後早めに切り戻すと二番花も楽しめる品種です。花色は咲き始めが濃いピンク、咲き進むごとに色が淡く変化し、最後はグレイッシュな緑になります。花色の移ろいも楽しいです。

学名は「Hydrangea arborescens ‘NCHA2’」で見慣れない表記となっていますが、品種名を表す「’NCHA2’」はノースカロライナ州立大学で育種されたことに由来します。英語表記の「North Carolina State University」から2文字、学名の「Hydrangea arborescens」から2文字が取られています。先にピンクのアナベルとして世に出た「’NCHA1’」を更に改良して作出されたので、品種名に数字の「2」がついています。商標登録されており、契約農家を除いて譲渡・販売目的での増殖が禁止されています。挿し木で増やしたい方は自宅のお庭だけにしましょう。

基本データ
学 名Hydrangea arborescens ‘NCHA2’
分 類アジサイ科 アジサイ属
形 態落葉低木
原産地北アメリカ東部
大きさ高さ100~150cm
開花期6~7月
花 色ピンク~薄緑
日 照日当り~半日陰
水 分普通
耐寒性
耐暑性
増やし方挿し木
用 途庭植え、鉢植え、ドライフラワー
‘ピンクのアナベル2’の基本データ

わたしの育て方

私の庭では2021年に4号苗(高さ25cm)より育て始めました。適地に植えたこともあり、わずか1年で高さ1.5mにまで育ちました。

栽培環境

南面で日当たりと水はけの良い場所に植えています。特に夏は直射日光が終日当たります。アナベルは日本のアジサイよりも日向が好きです。半日陰でも栽培できますが、日当りで育てた方が茎がしっかり育って倒れにくいです。1株でも大きくなるので、幅1mくらいのスペースを想定して植え付けると良いです。

水やり

庭植えの場合、根付いていれば水やりは要りませんが、夏の乾燥が続く時はさすがに葉がぐったりしてくるので水やりを行っています。

肥料

春先に有機肥料を少なめに与えています。花をたくさん咲かせるには秋にも緩効性肥料を適量与えると株が充実します。

病気・害虫

オンブバッタ、カミキリムシ、ハダニが発生する事があります。

私の庭ではオンブバッタが葉をかじりますが、大きな被害はないので放任しています。肉食の益虫たちに食べてもらいます。

カミキリムシは枝の内部を食い荒らす害虫です。急に一部の枝だけが萎れたり、根元から細かい木くずが出ていたらカミキリムシの被害を疑いましょう。アナベルは株立ち樹形なので、被害の出ている枝を地際から切れば被害が拡大する前に退治できます。

ハダニは1mm以下の小さな虫で乾燥した環境を好みます。葉の裏に水をかけて湿度を高めると予防になります。

お手入れ

花が色褪せてきたら切り取ります。特に二番花を咲かせたい時は早めに切る必要があります。生育状はそのままでも問題はないです。

枝の剪定は冬に行います。アジサイと違って花芽分化が花後すぐではないので管理が楽ですね。

アナベルは剪定の切り方で花の大きさや数が変わります。強剪定では大きな花が咲き、弱剪定では小さな花が多く咲きます。詳しくは以下の記事で紹介していますので、気になる方はご覧ください。

四季の生育状況

春の様子(3~5月)

芽吹きは4月です。枝から葉の展開が進むと、根元から勢いのあるシュートも立ち上がってきます。

5月には蕾の元が確認できます。この時期は枝を切らないようにします。

夏の様子(6~8月)

アメリカノリノキ’ピンクのアナベル2’の開き始めたつぼみ
(6月上旬)開花しはじめた蕾。

5月の下旬には蕾が出来上がり、6月上旬に開花し始めます。花は枝の先端につきます。

アメリカノリノキ’ピンクのアナベル2’の花
(6月中旬)雨に濡れる姿。咲き始めが一番発色が良い。

蕾が色づいてから一週間ほどで開花します。ピンクの萼片が鮮やかです。

アメリカノリノキ’ピンクのアナベル2’の咲き進んで色が褪せた花
(7月中旬)咲き進んで赤みのある薄緑色になった。

7月後半に入るとアンティークカラーに変わります。華やかな印象から渋いイメージに変わりました。

アメリカノリノキ’ピンクのアナベル2’の花摘み後
(7月中旬)二番花を期待して早めに花を切り取った。

二番花を咲かせるために先端の花を切ってみました。葉の付け根には芽があるので、バッサリと切らずに残しています。しかし、この年は二番花を見る事ができませんでした。時期が遅かったのか、切り方が違ったのか、今後の課題となりました。

秋の様子(9~11月)

寒くなるまでは緑の葉が残って光合成を続けます。花を残しておいた場合は茶色くなってきます。

冬の様子(12~2月)

冬になると落葉し、剪定の適期となります。葉が無いので枝元がよく見えて作業しやすいです。

育てた感想など

見た目と育てやすさ

‘ピンクのアナベル2’はピンク色が濃く、よく目を引きます。花色の変化も見どころで、咲き始めは鮮やかなピンク、次第に淡くなり、後半にはアンティークカラーの赤みを帯びた緑に移り変わります。茎はしっかりしていて、雨で倒れるようなこともありませんでした。生育は非常に旺盛で、おすすめしたい品種です。

おすすめの使い方

洋風のガーデンに良く合います。単植でアクセントに植えても良し、群植で風景を作るのも良し、景色が華やかになります。お庭の主役になるので、目立つ場所に植えて楽しみましょう。ピンクが濃いので基本種(白花)のアクセントとして入れるのも効果的です。

相性の良さそうな植物

洋風の樹木や草花、カラーリーフの品種物と組み合わせるとおしゃれなガーデンになると思います。

組み合わせ例:オリーブ、アメリカハナズオウ’フォレストパンシー’、シモツケ’ゴールドフレーム’、ラベンダー、アガパンサス、ガウラなど

関連情報

私の庭では他にも以下の2品種を育てています。参考までに品種の特徴と育てた感想を記載します。

  1. アメリカノリノキ‘アナベル’(基本種)
  2. アメリカノリノキ‘ピンカーベル’

アメリカノリノキ‘アナベル’(基本種)

アメリカノリノキ’アナベル’の花
(6月下旬)真っ白なアナベルの花
アメリカノリノキ’アナベル’の姿
(6月下旬)植栽の様子

アナベルの基本種です。私の庭では2019年、茎が1本しかないような小さな3号苗(高さ10cm)より育て始めました。一日中日照が確保できる日当たりに植えています。水やりは、夏の乾燥時期だけ周囲の植物のついでに行っています。肥料は春先だけ有機肥料を少量与え、表土に薄く堆肥をまいています。3年経過した段階で、高さは1.5cm程度まで育ち、花の直径は20cmを超えるようになりました。

育てた感想

小さな苗からのスタートでしたが、人気種だけあって育てやすく、すくすくと成長しています。花は咲き始めは白で、咲き進むと淡い緑色に変わっていき、6月から7月まで楽しませてくれます。花の一部を切り取ってドライフラワーにして飾っています。

アメリカノリノキ‘ピンカーベル’

アメリカノリノキ’ピンカーベル’の花
(6月下旬)ピンカーベルの花
アメリカノリノキ’アナベル’の姿
(6月下旬)植栽の様子

2020年に通販で購入し、4号苗(高さ30cm)から育て始めました。半日陰(日照4時間程度)に植えています。ピンクの花が咲くアナベルの選抜品種で、花が大きく、茎が丈夫とされています。日本のアジサイと違って土壌酸度の影響は特に受けません。発色は先にご紹介した「ピンクのアナベル2」より淡く、優しい色合いです。咲き進むと緑に変わっていきます。大きさは2年経過した段階で1.2mほどになりました。

育てた感想

ピンク系のアナベルということで、とても可愛らしい印象の花です。街中には白花のアナベルが多いので、ピンク系で他のお庭と差をつけたい方にもおすすめです。半日陰に植えているせいか、雨で重くなった時に枝が倒れてしまいました。今後は日向に移植しようと考えています。

アナベルの園芸品種

アナベルの品種一覧

アナベルは多くの改良品種が生まれています。お気に入りの品種を探してみてはいかがでしょうか。

  1. アナベルコンパクト
  2. ルビーのアナベル
  3. ライムのアナベルコンパクト
  4. ピンクのアナベル
  5. ピンクのアナベル2
  6. ピンクのアナベルジャンボ
  7. ピンカーベル
  8. ベラアナ
  9. アナベルジャンボ
  10. ライムのアナベル

アナベルコンパクト

白花で高さが90cm程度に収まる小型種です。花の日焼けにも強いとされています。大きさが通常のアナベルに比べて2/3程度のため、お庭のスペースが限られている方に向いている品種です。

ルビーのアナベル

花色が濃い赤系の品種です。葉の緑色も通常の品種より濃いです。ピンク系で色の濃い花が欲しい方はこの品種を選ぶと良いです。

ライムのアナベルコンパクト

花色がライムグリーンの品種で、高さは1.2m程に納まります。花色はライムグリーンから白色、緑色と移り変わっていきます。

ピンクのアナベル

ピンク系を代表する品種です。濃いピンクから淡いピンク、緑色へと移り変わります。返り咲く性質もあります。ピンク系の中では良く出回っています。

ピンクのアナベル2

ピンク系の更なる改良品種で、従来より花色が濃く、返り咲く性質も強くなっています。この記事でご紹介した品種です。

ピンクのアナベルジャンボ

ピンク系の大輪品種で、花房の直径が30cm以上になります。豪華な大輪を楽しみたい方におすすめです。

ピンカーベル

ピンク系で花が大きく、茎が丈夫に改良されています。この記事でご紹介した品種です。

ベラアナ

アナベルは通常4弁咲ですが、こちらは5弁咲になったピンク系の品種です。花色は濃いです。

アナベルジャンボ

白花で大輪咲きの品種です。直径30cm以上にもなるドーム型の花房で姿も良く見応えがあります。旧名はインクレディボールです。

ライムのアナベル

ライムグリーンの花を楽しめる品種です。良く見ると花の中央がピンク色をしています。一味変わったアナベルです。

品種参考:アメリカあじさい(アナベル)|植物 PROVEN WINNERS プルーブンウィナーズ

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