PR

トキワマンサク‘紅姫’の育て方と栽培レポート、矮性・銅葉品種の使い所

トキワマンサク紅姫の葉色 栽培レポート

トキワマンサク‘紅姫’について、栽培事例をご紹介します。私の場合の育て方や、四季の様子、育てた感想等をまとめます。これから育てたい方や、既に育てている方の参考になれば幸いです。

トキワマンサクは生垣によく用いられている樹種ですが、‘紅姫’は矮性(コンパクトな姿で成長する)という一風変わった性質を持っている品種です。もはや生垣用ではなく、低木やグランドカバーとして活躍する希少な銅葉のカラーリーフです。

トキワマンサク‘紅姫’の特徴

トキワマンサク紅姫の開花の様子
(5月上旬)開花期に入ったトキワマンサク‘紅姫’

トキワマンサクは生垣用に人気の樹木で、街中でも良く見かけるようになりました。近年は品種改良が進んでどんどん新しい品種が出てきています。従来は赤花、白花、銅葉くらいしかありませんでしたが、今では絞り咲き、斑入り、黄金葉の品種まで出てきました。

その中でも‘紅姫’は銅葉で極矮性という変わった特徴を持つ希少な品種です。成長が遅く、特に上方向に伸びにくい性質で、非常にコンパクトな状態で維持できます。デザイン上の扱い方さえ変わります。もはや低木なので高さが必要な生垣には向きません。銅葉のグランドカバーという特殊な用途に向いています。

この品種はベニバナトキワマンサクが元になっているようで、濃いピンクの花が咲き、葉色は赤紫色の発色が良いです。植木の生産地として知られる埼玉県川口市の植木生産卸売会社が作出した品種です。流通量は少なく、価格はボリュームの割には高いです。似た特性の品種には、銅葉で這い性、二期咲きのルビーランナーがあります。こちらも希少で、通販サイトでは品切れになっているのを見かけます。

基本データ
学 名Loropetalum chinense
分 類マンサク科 トキワマンサク属
形 態常緑低木
原産地中国
大きさ高さ100cm、幅100cm(推定)
開花期4~5月
花 色ピンク
日 照日当り~半日陰
水 分普通
耐寒性
耐暑性
増やし方挿し木
用 途庭植え、鉢植え
トキワマンサク‘紅姫’の基本データ

わたしの育て方

私の庭では2021年の春より育て始めました。園芸センターで初めて見かけて、直感的にこれはレア物だと思って購入してしまいました。高さは30cm程になっています。成長は遅く、枝の伸びはせいぜい30cm程度です。枝は立ち上がらず、横方向に伸びます。

栽培環境

半日ほど直射日光が当たる水はけの良い場所で地植えにしています。トキワマンサクは肥沃な土壌を好むので、植え付け時にバーク堆肥を混ぜ込みました。

水やり

根付いてからは水やりを行っていません。夏でも水切れする様子は無く、水分の要求量はそこまで高くないように感じます。庭植えなら、よほど乾燥しない限りは水やり不要と考えて良いと思います。

肥料

春の芽出し頃に緩効性肥料を少量与えています。

病気・害虫

病害虫の被害は少ないですが、たまに新芽付近に黄緑色のアブラムシがつきます。葉色が銅葉のため見つけやすいです。

お手入れ

花後の5~6月に剪定(刈り込み)を行います。トキワマンサク類の花芽分化は7月です。7月から翌年4月の開花までの期間に強い剪定を行うと花が見られません。どうしても切る必要がある場合は、長く伸びた枝だけを切るようにします。強剪定は花後だけ、その他の時期は弱剪定を心掛けましょう。

四季の生育状況

春の様子(3~5月)

4月に入ると赤い新芽が伸びてきます。葉が固まると赤みが落ち着き銅葉になります。

トキワマンサク紅姫の花
(5月上旬)テープ状の花弁が特徴的なトキワマンサク‘紅姫’の花

4月下旬から5月中旬にかけて花が咲きます。花弁が細いテープ状の変わった花で、ベニバナトキワマンサクと同様に濃いピンク色です。一つの花は小さくても多数咲くようになると目を引きます。

花が終わったらバッサリ刈り込むチャンスです。と言っても、矮性品種なので切る量が少なく、作業はすぐに終わってしまいます。

夏の様子(6~8月)

トキワマンサク紅姫の夏の様子
(7月下旬)シックな銅葉が異彩を放つ

夏になると葉色は一層濃くなります。ブラックパープルといったところでしょうか。葉が光を反射して、少し怪しげで神秘的な輝きを放っています。真夏でも少し枝が伸びます。

トキワマンサク紅姫の挿し木
(8月)路地挿しで根づいた

こちらは挿し木をして1年ほど経ったものです。意外に増やすのは簡単で、地面に直接挿しただけでも根付きました。しかし初期の成長が遅いようで全然大きくなりません。

秋の様子(9~11月)

秋になってもシックな色合いを保ちます。気温の低下で成長速度は鈍ってきます。

冬の様子(12~2月)

常緑性で葉をつけたまま越冬します。寒さが厳しいと葉を落とす場合があり、半常緑タイプと考えた方が良いと思います。冬の気温がマイナス5度を下回る私の庭では、葉が半分くらい落ちてしまいます。但し、枝が枯れるわけではなく、春には元気に復活します。

育てた感想など

見た目と育てやすさ

葉色が個性的で花色も鮮やかです。小さな丸い葉は景観に馴染みやすく、どんな場所でも使いやすいです。刈り込んで容易に維持できるカラーリーフとして重宝します。銅葉の低木は種類が少ないので、‘紅姫’には新たな植栽デザインの可能性を感じます。

コスト面と流通量の少なさから大量調達は難しいかもしれません。今後の普及を期待しましょう。

元々が丈夫なベニバナトキワマンサクであり、栽培は特に難しくないです。萌芽力も高く、大きさを保ちやすいです。寒さにはあまり強くないため、暖地から中間地に向くと思います。

おすすめの使い方

花壇の縁取りやグランドカバーに向きます。鉢植えで丸く刈り込んでもおもしろいと思います。赤紫の玉仕立てはインパクト抜群です。個性が非常に強いので、デザイン的には飛び道具的な扱いを心掛けます。多用し過ぎると見た目がくどくなるかもしれません。カラーアクセントとして少量を植えると風景が引き締まり、センス良くまとめられます。イエロー系のレンガや自然石で作った花壇に植えると異国情緒溢れる風景の演出もできそうです。センスが試される植物ですね。

相性の良さそうな植物

洋風で日当り向きの植物との相性が良いです。斑入りや黄金葉のカラーリーフを組み合わせるとおしゃれな庭になります。色の対比効果を狙っていきましょう。カラーリーフのみでは見た目がうるさいので、緑葉や花木の引き立て役として適量を用いるのがポイントです。

例:アベリア(斑入り)、シモツケ‘ゴールドフレーム’、フィリフェラオーレアなど

関連情報

ベニバナトキワマンサク

ベニバナトキワマンサクの生垣
よく見るベニバナトキワマンサクの生垣

ベニバナトキワマンサクは濃いピンクの花と葉色が華やかで、割と最近になって広く普及しました。丈夫で刈り込みに強く、生垣に使われる他、玉散らし等の仕立て物にも用いられています。枝の伸びが良くて、1シーズンに1mくらい平気で伸びます。

‘紅姫’はこの丈夫さと花や葉色の特徴を受け継ぎつつも、成長力が抑えられています。現代の住宅事情において庭の面積がなかなか広く取れなくなったため、植木にはコンパクトさが求められているように感じます。洋風化した現代の住宅にマッチするコンパクトな植木は、今後ますます需要があるのではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました