ルドベキア‘ビエッテス・リトルスージー’について、栽培事例をご紹介します。私の場合の育て方や、四季の様子、育てた感想等をまとめます。これから育てたい方や、既に育てている方の参考になれば幸いです。
‘ビエッテス・リトルスージー’は背丈がコンパクトに収まる園芸品種です。同じルドベキア属の‘タカオ’等に比べると寿命が長く、栽培に手間のかからない品種です。
ルドベキア‘ビエッテス・リトルスージー’の特徴
‘ビエッテス・リトルスージー’はイギリスのガーデンセンターとして有名なBlooms社が育成した園芸品種です。フルギダ種から選抜された系統で、コンパクトさを求めて品種改良されました。地中に短い地下茎を伸ばし、子株を作りながら周囲に少しづつ広がります。ルドベキア類の中では寿命が長いため、年数を重ねる毎に株立ち状になりボリュームが増していきます。元々が丈夫なフルギダ種であり、暑さや寒さ、乾燥に耐えて、育てやすい性質です。
キク科の花の特徴として、舌状花(ぜつじょうか)と多数の筒状花(とうじょうか)が一輪の花を構成します。黄色い部分は舌状花の花弁です。中央の茶色い部分は筒状花(とうじょうか)よ呼び、小花が集まったものです。
似たような名前のルドベキアに‘リトルヘンリー’があります。こちらはサブトメントーサ種の系統で、花弁が筒状に変化した変わり咲きの品種です。
基本データ | |
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学 名 | Rudbeckia fulgida ‘Viette’s Little Suzy’ |
分 類 | キク科 ルドベキア(オオハンゴンソウ)属 |
形 態 | 多年草(常緑) |
原産地 | 北アメリカ |
大きさ | 高さ30~40cm(ラベル記載内容)または高さ80cm(栽培結果) |
開花期 | 7~9月 |
花 色 | 黄色 |
日 照 | 日当り |
水 分 | やや乾燥気味 |
耐寒性 | 強 |
耐暑性 | 強 |
増やし方 | 株分け、実生 |
用 途 | 庭植え、鉢植え、蜜源植物 |
わたしの育て方
私の庭では2018年より育て始め、毎年夏に花が咲きます。3.5号ポットから育て始め、4年経過時点で株の範囲が80cmくらいにまで増えました。数は少ないですが、こぼれ種からも増えています。園芸ラベルでは高さ30~40cmとなっていましたが、実際には太ももの高さ(約80cm)になりました。ルドベキア類は1mを超える種が多いので、全体で比較すれば小さい方だと思います。
栽培環境
日当たりと水はけの良い場所を好みます。私は葉の少ない落葉樹の陰になる場所に植えています。時間帯によっては直射日光も当たります。こぼれ種で日陰に芽を出した株は、開花はしたものの軟弱に育って倒れてしまいました。なるべく日向で育ててあげたい草花です。
水やり
よほど乾燥しない限りは水やりをしていません。夏場に葉がぐったりしてきた時だけ水を与えています。過湿は嫌う一方、乾燥には良く耐えます。
肥料
春に緩効性肥料を少量与えています。
病気・害虫
5~6月頃を中心に、キクスイカミキリが発生します。キクスイカミキリはキク科植物の害虫で、自然界ではヨモギ等にも発生します。成虫が茎の途中、やや先端側に産卵し、幼虫は茎の芯の部分を食べながら下方へ進みます。産卵の跡には特徴があり、茎に2段の噛み跡があればこの虫が発生した可能性が高いです。産卵された上部は萎れて枯れてしまいます。発生初期であれば被害の出た茎を少し下から切り取るだけで対処できます。
お手入れ
花後に切り戻しを行います。種を取りたい場合は冬までそのままにしておきます。こぼれ種でも増えます。
増やす場合は、品種の性質を維持するために株分けが適しています。株分け作業は寒さの和らぐ3月後半が適しています。秋でも可能ですが、秋遅くに行うとしっかり根付く前に冬を迎えてしまうため、冬越しの際は防寒対策をした方が無難です。
四季の生育状況
春の様子(3~5月)
4月に入り、冬を越した子株が成長を再開します。5月には葉が茂り、6月頃から花茎が長く立ち上がってきます。
夏の様子(6~8月)
7月になると開花が始まります。舌状花の黄色い花弁は、咲き始めはまず上に伸び、次第に斜めになり、最後は水平に広がってやや垂れ下がります。花茎の先端から咲き、順次下段の蕾が開花していきます。
8月に入ると開花のピークを迎えます。個々の花の持ちは良く、一か月は咲き続けます。咲き進むと中央の筒状花が丸く盛り上がります。
開花中でも株元には多数の子株が育っています。この子株たちがまた来年花を咲かせます。
秋の様子(9~11月)
9月後半に入ると花が終わってきます。黒いシードヘッドは残り、種が成熟します。
冬の様子(12~2月)
寒くなると花が咲いていた茎は枯れ、根元にできた子株が生き残って冬を越します。葉にはフサフサの細かい毛が生えていて温かそうです。
育てた感想など
見た目と育てやすさ
良く植えられるルドベキア・トリロバ系の‘タカオ’と比べると背丈がコンパクトですが、花は大きく華やかな印象です。黄色い花は良く目立ち、花持ちも良いのでおすすめです。
極端な増え方もせず、庭では使いやすいと思います。4年間も植えっぱなしにしていますが、衰えることもなく順調に育っています。子株が込み合ってきたので、そろそろ株分けを考えています。
おすすめの使い方
洋風庭園やナチュラルガーデンに合うと思います。膝丈を超えるくらいには成長します。植える位置は前景から中景に向いています。花茎につく葉は細くて見た目がうるさくないので、花壇の前方でも良いと思います。
相性の良さそうな植物
見た目のクセが強くなく、様々な花と馴染みます。洋風の低木や、小花の宿根草、グラス類との組み合わせがおすすめです。赤やオレンジ等の暖色系の花を合わせると夏らしい花壇の演出になります。紫の花と合わせると色の対比効果(補色)が効いてきます。日当たりを好む植物と合わせましょう。
例:アガパンサス、三尺バーベナ(ボナリエンシス種)、ノリウツギ、ジニア、センニチコウなど
関連情報
ルドベキア‘ブラックジャックゴールド’
私の庭では、ルドベキア‘ブラックジャックゴールド’というトリロバ系の品種も育てています。系統が違うので、特徴や性質も異なっています。もしよろしければ合わせてご覧ください。
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